Interview

「誰でもいい」じゃなくて「私」に相談したいと
言われるようなお客様との関係をつくりたい。

半田中央印刷株式会社
小川さん

今回は日本福祉大学に通う学生2人が、半田中央印刷株式会社で働く小川さんを訪問インタビュー。就活時のエピソードや今の仕事について伺いました。(取材日:2022.9.5)

社会福祉学部社会福祉学科 3 年 伊東さん

教育・心理学部心理学科 3 年 岸さん

Question 1

自己紹介をお願いします。

半田中央印刷株式会社で営業をやってます、小川です。
入社3年目です。入社当時からコロナ禍で、新入社員研修が全部無くなり急に配属になったかと思えばすぐにテレワークが推進されるという、激動の最中に入社しました。

Question 2

なぜ今の会社を選んだのですか?

るびあんの企業説明会でこの会社を“見つけた”からです。
私は元々は公務員志望で、地元の市役所や役場などを受けようと思っていました。民間企業も受けないといけないかなという思いはあったものの、特に興味を持って企業情報を調べることもしていなくて・・・。
知多半島が地元で大学もここから名古屋に通っていたので、地元で働きたいという希望はありました。そんな時、知多半島からたくさんの企業が集まる『るびあん』の合同会社説明会があることを知ってそれに参加することにしたのです。

Question 3

印刷に興味があったのですか?

いいえ、全く。最初は『広告』って言葉に「なんか面白そうだな」という程度しか興味がなかったのですが、話を聞いてみると仕事内容がすごく楽しそうで!それから会社の説明会にも参加し、今があります。
ですから特にデザインをやっていたとか、広告関係のことを勉強していたからというわけではありません。

Question 4

この会社が自分に合っているなと感じることは何ですか?

社員全員と意思疎通ができるところですね。
営業という職種もあってか、私はいろいろな部署の方全員と仕事で関わります。大企業では他部署の人の名前や顔がわからなかったりすることもあると思うのですが、そういったことがありません。作業を受け持つ方達と直接コミュニケーションを取ることができるので、仕事がすごくやりやすいです。何かわからないことがあったらすぐに聞きに行ける、アドバイスをもらえる環境はとてもいいなと思います。

Question 5

自分に合った職業を見つけるためのアドバイスは?

自己分析はすごく大事だと思います。自分のことって案外知らないものです。振り返ってみることで自分が何が好きとか、意外とこういうのに興味があるんだなって気づけるようになります。『自分』の発見が仕事探しにもつながるのではないでしょうか。
それから学生に知られてない業種って意外とたくさんあるんです。

Question 6

知らない業種とは?

普段私達が身近で出会う業種は「B to C」という企業が個人に向けてやっているものが大半です。例えるなら飲食業や小売業など。対して「B to B」と言われる企業対企業の業種は日常であまり気づくことができませんが、実際にはたくさんあるのです。そういった業種も調べてみることで「面白そうだな」「自分に合ってるかも」と思えるものが見つかるかもしれません。
自分についても職業についてもまずは「知る」ことが大切だと思います。

Question 7

馴染みのない業種に出会うにはどうしたらいいですか?

たくさんの企業が集まる合同会社説明会に行ってみてはどうでしょうか。それからインターネットなどで情報を得たり、インターンシップに参加するのもいいですね。また周りの大人に話を聞くのもアリだと思います。きっといろいろな業種の人がいますよ。

Question 8

印刷会社の営業で覚えないといけないことは?

電話のかけ方、メールの送り方などの基本的なビジネスマナーはもちろん、印刷見積もりの計算方法なども覚えます。当社は印刷会社なので大きな紙に印刷するのですが、このサイズだったら何面付いて何回通して何枚版が要るのか・・・見積もりを出すためにそれらを全部計算しなければいけません。それから納期の計算の仕方や売り方なども。さらに今はデジタルコンテンツも取り扱っているため、そちらについても覚えることがあります。
意外と覚えることがいっぱいです。

Question 9

それらは会社に入ってから覚えたのですか?

全部会社に入ってから覚えました。やはり実際にやらないと覚えられないので、見ながらやりながら徐々に仕事に慣れつつ覚えていきます。1年目は本当に何もわからなくて先輩にたくさん聞いていましたが、最近ではだいたいわかってきたかなと思えるようになりました。

Question 10

学生の間にしたほうがいい経験は?

私がやっておいて良かったなと思うことは旅行です。
今は(コロナ禍で)ちょっと難しい時期かもしれませんが、旅先で得られる様々な刺激は良い経験になって自分のものになります。それにたっぷり時間をかけてどこかに行くのは時間を自由に使える今しかできないことだと思うので、学生のうちに行っておいた方がいいと私は思います。
それからアルバイト。社会経験になりますし、短期や派遣などでたくさんの仕事を経験すればいろんな業種のことを知ることもできます。それに現場の裏事情を知ることができて面白かったですよ。
私は長く続けているバイトの傍らで短期のバイトをたくさん入れていました。お正月のおせちを詰めるバイトやクリスマスケーキを売るバイトなど。あとは学童や塾講師、インドカレー屋さんもやりましたよ。

Question 11

バイトばかりの日々になりませんか?

普段の平日や土日はバイトを詰め込んでましたが、逆に夏休みと春休みには1ヶ月ぐらい海外に行ってました。私の場合は旅行をするためにバイトをしていたので、働く時は働く!遊ぶ時は遊ぶ!とONとOFFがハッキリしていましたね。

Question 12

どこに旅行しましたか?

海外がすごく好きで、東南アジアをぐるっとまわったりヨーロッパの方に行ってみたり、カナダに留学してる友達に会いに行ってみたり・・・。本当にいろいろな所に行きました。
今はコロナのこともあって全然旅行できていませんが、早く海外にも行きたいなとウズウズしています。

Question 13

仕事中に意識していることはなんですか?

考えてもわからなかったらすぐ先輩に聞くことを意識しています。もちろん1回ちゃんと自分で考えてからっていうのは大前提ですが。お客さんから聞かれた事をよくわからないまま適当に答えると後で大変なことになるので、そこは一旦保留にしてちゃんと確認を取ってから答えるようにしています。何回聞くんだ!と言われるかもしれませんが、わからないことをちゃんと聞くのは大事だなと思います。

Question 14

今の仕事のやりがいや魅力について教えてください。

多種多様な経験ができることですね。
当社は印刷会社ですが、ただ紙に印刷するだけじゃなく取材や撮影、イベントの運営など様々な仕事を請け負っています。他にもホームページの作成やWEB広告を出したりとインターネット事業にも着手しているため本当に様々な仕事があるんですが、経験した分だけ知識が増えているなと自分でも感じています。
また広告は世の中の流れを把握することも大切で、置いていかれないように新しい情報を常に追い続けていくのですが、それが面白いと思うようになりました。こうやって知識や情報をアップデートし続けるのは本当に大変ですけれど、それすらも仕事のやりがいにつながっています。
また当社は製造業や小売販売の企業、病院や学校、市役所関係などいろいろな業種のお客様からお仕事をいただきます。たくさんの人に出会い、様々なお話を聞けるのはこの仕事の魅力のひとつだと思っています。

Question 15

新しい情報はどうやって得ているのですか?

普段からアンテナを高く張っています。ニュースやお客様からの話を見聞きして興味を持った内容は自分でさらに調べるようにしています。また以前はやっていなかったSNSも見るようになりましたね。

Question 16

仕事をしていて苦労したことはありますか。

やはり覚えることが多いのが一番苦労したところです。
あとは仕事をしていると年齢が結構上の方と関わることが増えていきます。これまでそういった方達とあまり出会うことがなかった分、何を話したらいいんだろう?話すことが無いぞ!と話題探しに苦労することもありました。また、たくさんの方々と関わっていると面白さもある一方で、考え方がちょっと自分とは違って戸惑うこともあります。

Question 17

どうしたらうまくコミュニケーションをとることができますか?

まずは相手に興味を持つことが大事だと思います。
仕事だからと相手との間に線引きしてしまうとそれ以上何も進まないし、それなりの関係で終わってしまいますが、自分が「この人のこと知りたいな」と思えば自然に質問が出てきたり、雑談もできるようになります。

Question 18

自分なりのアプローチの仕方はありますか?

ポイントは仕事以外の話をすることでしょうか。私はまだ天気の話とか、当たり障りのない話ぐらいしかレパートリーがありませんけれども。
そうやって距離を縮めていくと深い話もできるようになり、考え方もわかるようになってきます。すると相手の希望に沿った提案のような『次の一手』を打てるようになり、仕事においても少しずつやりやすくなっていくと思います。

Question 19

社会人になって新しく学んだことは何ですか。

“いろいろな人”がいるということです。これは本当に毎日実感しています。
同じような人しか出会わなかった学生の時とは違って、社会人になってからは自分自身のフィールドが広がるため様々な人と出会う機会が増えました。いい大人ばかりじゃないことも分かりましたし(笑)。
またお客様と話をしていると、その方が関わっている仕事などが気になるようになるんです。今まであまり見ていなかった新聞や折り込みチラシをチェックするようになったり、こんな物も作っているんだとお客様の商品に目を向けるようになったり。すると世の中は“いろいろな人”たちの作り出すモノ達で溢れていて、その“いろいろな人”が動いて世界は回っているんだと気づかされるのです。このように日常のことにも興味を持てるようになったことで、毎日が学びになっていると思います。

Question 20

今後の社会人としての目標は?

「誰でもいい」じゃなくて「私」に相談したいと言われるようなお客様との関係をつくることです。実際に「〇〇さんだからお願いしたい」とお客様から言われる方が社内にいるんです。私が一応営業担当なのですが、気づいたらその人に話がいってしまう・・・みたいな。私もそういう良好な関係をお客様と築いていけるような、そんな魅力的な人になりたいと思っています。

ありがとうございました。